観賞用植物に残留するミツバチに有害な農薬の分析(欧州のケーススタディ)

『花と毒薬』レポート日本語版

 

私たちの花が、ハチに影響を及ぼしている? 

 

私たちの生活を彩ったり、思いを伝えたりする観賞用植物ですが、野菜や果物のように農薬の残留基準値は設けられていません。街路や花束、ベランダの花たちには、どれくらいの農薬が残っているのか。その実態を明らかにするため、グリーンピースがヨーロッパで調査を実施。86サンプルの観賞用植物を対象に、ネオニコ系農薬をはじめとした農薬の残留を分析しました。 


ネオニコ系農薬は、花粉を媒介するミツバチの大量死の一因といわれ、ヨーロッパでは使用が一部禁止されている農薬。また、子どもの脳や神経の発達に有害であるという研究結果もあります。 


調査の結果、79%の観賞用植物から、ミツバチに有害とされる農薬が検出されました。食の安全を守る認識が高く、日本と比べて規制の厳しいヨーロッパでも、規制にはまだ抜け道があり、ミツバチを守るのに十分ではない実態が明らかになったのです。 


人にも自然にも、やさしい農業・園芸を日本でも 


日本国内の観賞用の花の栽培でもネオニコ系農薬が使われています。しかし、食品でないことから残留農薬の検査は行われていません。どれくらい使われているのか、そもそも人や生態系に本当に悪影響がないのか、それが明らかになっていない状態で、危険視される農薬を広範囲に使い続けるべきではないと、私たちは考えます。 


国際環境NGO グリーンピース・ジャパン 2015/03/14 のメルマガより一部抜粋して掲載